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マンション管理組合の理事を断る方法|免除の通し方と辞退後に困る落とし穴

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マンションの理事(役員)が回ってきたものの、仕事や家庭の事情で引き受けられない。そんな時、まず知っておきたい結論は次のとおりです。「断れるかどうか」は、法律よりも自分のマンションの管理規約と、総会での決め方で決まります。 理事を引き受けないこと自体に罰則が定められているわけではありませんが、規約の内容や運用によっては、別の負担が生じることもあります。

この記事では、断る前に確認すること、免除が通りやすい理由、伝え方の順番、そして辞退したあとに困りやすい落とし穴を整理します。

まず結論|断る前に確認する3つのこと

理事を断りたい時に、最初に確認するのは次の3点です。

確認することどこで分かるかなぜ重要か
役員の選び方(輪番・抽選・立候補)管理規約、役員選任の細則決め方によって、辞退の通し方が変わる
免除・辞退の条件管理規約、細則、過去の総会議事録条件があれば、それに当てはめるのが最短
辞退した場合の負担管理規約、使用細則協力金などの定めがあるか確認できる

管理規約は、入居時にもらった書類一式に入っているのが一般的です。見つからない場合は、管理会社や現理事長に閲覧を依頼できます。規約を読まずに「無理です」と伝えると、規約上の条件に当てはまる理由があっても活かせないため、先に目を通しておくのが得策です。

マンションの理事は断れるのか

国土交通省が示している「マンション標準管理規約」では、理事や監事は「マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する」という考え方が示されています(標準管理規約の第35条)。理事長・副理事長・会計担当理事は、選ばれた理事の互選で決まるとされています。

ただし、標準管理規約はあくまでひな形です。実際に適用されるのは、各マンションが総会で決めた自分たちの管理規約です。次の点は、マンションによってまちまちです。

  • 輪番制か、抽選か、立候補か
  • 高齢・病気・単身赴任などの免除条件があるか
  • 辞退した人に協力金を求める定めがあるか
  • 外部の専門家(管理業者や管理士)に役員を依頼できるか

「理事は断れる」「断れない」と一概には言えず、事案ごと・規約ごとに扱いが分かれます。最終的な判断は、自分のマンションの規約と、管理会社や専門家への確認に基づいて行ってください。

免除が通りやすい理由と、通りにくい理由

多くのマンションで、次のような理由は事情として受け止められやすいと考えられます。

通りやすいと考えられる理由

  • 病気・療養中、通院や介護で時間が取れない(医師の診断書を求められることがあります)
  • 一定年齢以上である(規約に年齢の基準を設けているマンションがあります)
  • 単身赴任・長期の海外勤務などで、実際に不在にしている期間が長い
  • すでに別の役員(専門委員会など)を務めている、あるいは直近で務めた

通りにくいと考えられる理由

  • 「忙しい」「面倒」といった、全員に当てはまる理由
  • 「前にもやったから」だけで、年数や回数が具体的でない
  • 「他の人がやればいい」といった、公平性に触れる言い方

大事なのは、理由の重さよりも、他の住民が「それなら仕方がない」と受け止められるかどうかです。誰もが忙しい中で順番を回している以上、「忙しい」だけでは受け入れられにくいのが実情と考えられます。具体的な事情を、必要な範囲で簡潔に伝えるのが現実的です。

断る時の進め方|この順番で動く

辞退の相談は、次の順番で進めると、角が立ちにくく、後で話が食い違うことも減らせます。

  1. 規約・細則・過去の議事録を確認する(免除条件と、辞退後の扱いを把握する)
  2. 理事長または選任を担当する人に、書面で相談する(メールや手紙など、残る形にする)
  3. 理由と、できる範囲の協力を添える(例:理事は難しいが、清掃や行事の手伝いはできる)
  4. 結論を総会前に確認し、決定を議事録に残してもらう

伝え方の例を挙げます。

このたび役員の輪番に当たっていることを承知しております。
大変申し訳ありませんが、現在、家族の介護により平日の日中・夜間とも
時間の確保が難しく、理事の職務を果たすことが困難な状況です。
つきましては、今期の役員選任について免除をご検討いただけますでしょうか。
今後、時間の取れる範囲で、清掃や行事のお手伝いなどには協力いたします。

病名や家庭の詳しい事情まで書く必要はありません。理事会に提出する書面は、複数の住民の目に触れる可能性があるため、個人情報は必要最小限にとどめてください。診断書を求められた場合も、提出先を理事長や管理会社の担当者に限定してほしい旨を伝えておくと安心です。

落とし穴|管理会社に電話で伝えるだけでは決まらない

他所ではあまり強調されませんが、実務で最も多い行き違いが、「管理会社に断りの連絡をしたから、もう済んだ」と思い込むケースです。

役員の選任は、標準管理規約の考え方では総会で決める事項です。管理会社のフロント担当者は、運営の補助をする立場であり、役員を免除するかどうかを自分で決める権限を持っているとは限りません。電話で「無理です」と伝えても、総会の議案には、そのまま自分の名前が載ることがあります。

これを避けるには、次のように動くのが確実と考えられます。

やりがちなこと起きやすい問題対処
管理会社に電話で伝えただけ議案に名前が載ったまま、総会当日に承認される理事長宛に書面で伝え、議案への反映を確認する
委任状を「議長一任」で出した役員選任の議案に賛成した扱いになりうる議案ごとの賛否欄で、自分の意思を示す
総会を欠席して連絡も取らない欠席のまま選任される事前に辞退の意思と理由を文書で提出しておく

委任状の扱いは、自治会総会の委任状は出さなくていい? でも整理しています。自治会とマンション管理組合は別の仕組みですが、「委任状で意思を示しておかないと、選任に同意した扱いになりかねない」という実務上の注意点は共通すると考えられます。

辞退したあとに困りやすい落とし穴

1. 免除が「今期だけ」なのか「今後ずっと」なのかが曖昧になる

輪番制のマンションでは、免除が認められた人が、次の順番でまた当たることがあります。「今期は免除」と口頭で言われただけだと、翌年に再び順番が来て、同じやり取りを繰り返すことになりかねません。

  • 免除が今期限りか、一定期間続くのかを書面で確認する
  • 免除された人を輪番の対象から外すのか、順番を繰り下げるのかを確認する
  • 結論を総会の議事録に残してもらう

2. 協力金などの金銭負担が定められている場合がある

マンションによっては、役員を引き受けない組合員から協力金を徴収する旨を、規約で定めている場合があります。国土交通省の標準管理規約のコメントでも、不在の組合員への協力金の扱いが論点として触れられていますが、これを定めているかどうか、金額、免除条件はマンションごとに異なります。

規約に定めがないのに、理事会が慣例として請求するという話も聞かれますが、その請求に根拠があるかどうかは、規約の内容と総会決議の有無によって変わると考えられます。請求を受けて納得できない場合は、規約の該当条文と決議の根拠を示してもらい、管理会社や専門家に相談してください。

3. 賃貸に出している・住んでいない場合は扱いが別になる

標準管理規約の考え方では、役員は「現に居住する」組合員から選ぶのが原則です。区分所有者でも、その部屋に住んでいない場合は、役員の対象外としているマンションが多いと考えられます。ただし、その場合に協力金の定めがあるかどうかは、規約を確認する必要があります。

また、賃借人(借りて住んでいる人)は、組合員ではないため、規約上の役員の資格を持たないのが一般的です。貸主側が「借主に代わりに出てもらう」ことができるかは、規約次第です。

4. 理事は引き受けても、理事長・会計は断れる場合がある

標準管理規約の考え方では、理事長・副理事長・会計担当理事は、理事の互選で決まります。理事を引き受けたうえで、理事長や会計は他の人にお願いできないか話し合う余地がある場合もあります。「理事長だけは無理」という事情なら、理事としては参加しつつ、役割の分担を相談するという選択肢が考えられます。

5. 辞退した人が増えると、役員のなり手がさらに減る

誰かが辞退すれば、次の順番の人に負担が回ります。これは個人の判断の良し悪しとは別に、管理組合全体の運営の問題でもあります。国土交通省の資料でも、役員のなり手不足への対策として、外部の専門家の活用や、役員の負担を減らす工夫が紹介されています。断る側も、断るだけで終わらせず、負担軽減の方向で提案できると、受け止められ方が変わります。

理事を引き受ける場合の負担を減らす方法

どうしても免除が難しい場合は、負担そのものを減らす方向も検討できます。

  • 理事会の開催頻度や、オンライン参加が可能かを確認する
  • 書面や電子投票での決議が可能かを確認する
  • 管理会社に任せられる業務の範囲を確認する
  • 任期は2年のマンションが多いが、半数改選で、残る人が引き継げる仕組みかを確認する

理事会の議事や連絡の取り方が紙・電話中心の管理組合は、オンライン化を提案するだけで、他の住民からも歓迎されることがあります。

断ると決めた時の注意点

感情的になると、決まるものも決まらなくなります。

  1. 他の住民を責めない(「なぜ自分だけ」という言い方は避ける)
  2. 嘘の理由を使わない(後で露見すると、信頼関係が大きく損なわれます)
  3. ほかの形での協力を示す(行事の手伝いなど、できる範囲を伝える)
  4. やり取りを残す(書面・メール・議事録で、言った言わないを避ける)

とくに嘘の理由は、同じマンションに長く住む前提では大きなリスクになります。免除の理由は、真実の範囲で、必要な部分だけを伝えてください。

近い悩みの記事

地域や学校の役員を断る場面は、考え方が共通します。次の記事も参考にしてください。

まとめ

  1. 理事を断れるかどうかは、自分のマンションの管理規約と、総会での決め方で決まる
  2. まず規約・細則・過去の議事録で、免除条件と辞退後の扱いを確認する
  3. 管理会社に電話で伝えるだけでは決まらない。理事長宛の書面で伝え、議案への反映を確認する
  4. 免除が今期限りか継続かを書面で残し、協力金や輪番の扱いも確認する
  5. 理事長・会計の役割分担や、できる範囲の協力を提案すると、受け止められ方が変わる

本記事は一般的な整理であり、個別のマンションの規約や個別の事案について結論を示すものではありません。規約の解釈や協力金などの金銭負担については、管理会社、自治体のマンション相談窓口、マンション管理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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